【四柱推命】通変を信じていいのか?使い方、使われ方に要注意!

寅さん

わい、四柱推命でみたら「印綬」が2つもあったんや。
印綬は知性の星だからアタマ良いってことやね!?

丑くん

「通変」のことをいってるんだね?

寅さん

うん。
印綬だから、アタマ良いってことやね?

丑くん

・・・どうかしら。

四柱推命に少しでもふれた方ならば「比肩(ひけん)」や、「偏官(へんかん)」などの言葉を聞いた事があると思います。

私の知人で、

「自分は偏官があるから、生まれた時からツイてない」

・・・と、嘆いている人が実際にいました。

四柱推命のもはや代名詞ともいえる「通変(つうへん)」ですが、取り扱いは大変キケンです。

「通変」のせいで、間違った占いが横行しているといってもいいかもしれません。
なぜ通変は取扱いが難しいのか、そして通変を信じていいのか?
占いの現場から報告します!

そもそも通変とは?わかりやすく!

そもそも通変とは何でしょうか。

通変とは、日干と他の干との組み合わせ」

これだけです。

ここで、なぜ日干がクローズアップされるのかと言えば、四柱推命では日柱の天干「日干」を、自分自身と見るからです。

通変が出来る組み合わせ

さて。そんな日干と他の干との組み合わせは基本、5種類あります。

    • 日干と同じ五行(例えば木と木)
    • 日干が生じる(例えば木→火)
    • 日干が剋する(例えば木→土)
    • 日干が剋される(例えば木←金)
    • 日干が生じられる(例えば木←水)

この5種類をまず頭に叩き込んでください。
同じなのか、生じるのか、尅するのか、尅されるのか、生じられるのか。

ここから「陰陽」の組み合わせが、2パターンに分かれます。

A.例えば、木と木の組み合わせでも陰陽が異なる場合。

「甲木(陽)」×「乙木(陰)」

B.もしくは同じ陰陽の組み合わせの場合。

「甲木(陽)」×「甲木(陽)」
「乙木(陰)」×「乙木(陰)」

陰陽が異なるのか?同じ者同士の組み合わせなのか?この2パターンで10種類の組み合わせが出来上がります。

  1.日干と同じ五行(陰陽同じ)
  2.日干と同じ五行(陰陽異なる)
  3.日干が生じる(陰陽同じ)
  4.日干が生じる(陰陽異なる)
  5.日干が剋する(陰陽同じ)
  6.日干が剋する(陰陽異なる)
  7.日干が剋される(陰陽同じ)
  8.日干が剋される(陰陽異なる)
  9.日干が生じられる(陰陽同じ)
  10.日干が生じられる(陰陽異なる)

どうですか。
あんまり面白くないでしょう(笑)
やっぱり昔の人もコレだけじゃあまりにツマらなかったんでしょうね。

一般的にはこの10種類それぞれに、鮮やかな「名前」がつけられます。
では名前をつけてみましょう。

  1.比肩(ひけん)
  日干と同じ五行(陰陽同じ)

  2.劫財(ごうざい)
  日干と同じ五行(陰陽異なる)

  3.食神(しょくじん)
  日干が生じる(陰陽同じ)

  4.傷官(しょうかん)
  日干が生じる(陰陽異なる)

  5.偏財(へんざい)
  日干が剋する(陰陽同じ)

  6.正財(せいざい)
  日干が剋する(陰陽異なる)

  7.偏官(へんかん)
  日干が剋される(陰陽同じ)

  8.正官(せいかん)
  日干が剋される(陰陽異なる)

  9.偏印(へんいん)
  日干が生じられる(陰陽同じ)

  10.印綬(いんじゅ)
  日干が生じられる(陰陽異なる)

これら10の名前を総称して「通変」と言います。

名前がついた瞬間、一気に色めき立ちますね。
ただの干同士の組み合わせに過ぎなかったものが、名前を付けたことで、一種のキャラクター(性格)を帯びたと思いませんか。

でもここが問題なんです。

通変の意味づけに要注意!

通変は、さらに「通変星」などと呼んだりして、エスカレートしていきます。

「通変星」とか言われると、

「私は比肩の星に産まれたから・・・」とか、「彼は印綬の星を持っているから・・・」など、まるで星座のように取り扱われはじめる始末です。

さらに、その字面の印象から、劫財は「どんな手段を用いても財を奪い取る」だの、食神は「食べることが大好き」だの、傷官は「正官を傷つけるから駄目」だの、偏財は「正財に比べて、材が偏っているから貯金が苦手だ」の・・・と極めてインスタントな占いが繰り広げられる始末です。

それを堂々と四柱推命と名乗っているのが日本の占い業界の現状です。
※通変の意味づけはここでは細かく書きません。チョッとネットを叩けば、腐るほど出てきます。あまり鵜呑みにしないようにして下さい。

風潮としてなぜか「陰陽の組み合わだから良い」、「陰陽揃わないから悪い」みたいな解釈がまかり通っています。

例えば、

陰陽が異なるから「正財」
陰陽が同じだから「偏財」

そして、

正財は、正しい財だから金運が良くて家庭的・・・。偏財は、偏った財だからギャンブル好きで貯蓄が出来ない・・・。

業界では当たり前のように上記の解釈がなされています。

占う方も神妙な面持ちで語り、占われる方も神妙な面持ちで拝聴する始末です。

占い注意報です。

命式に「偏財」と「正財」が混在したら、どう占うんですか?
そんな命式はゴマンとありますよ。

「偏財だからダメ」
「偏官だからダメ」
「偏印だからダメ」

そんなわけないでしょう。

もちろん、古来語り継がれてきた「通変」ですから、すべてを否定するつもりはありません。

しかし通変の安易な解釈のせいで、様々な矛盾が生じます。

更に、四柱推命を学び始めた人が最初に挫折する壁となっています。
(実際、私もそうでした)

通変の注意点「木をみて森を見ず」

なんでもそうですが、対象にラベルを貼ると、物事を解釈した気分になります。

例えば「木」という存在があります。

地面からモクモクと屹立する「そのもの」に、「木」とラベリングすると、もう何も考えなくなってしまいますよね。

「ああ、木が生えているね」

そんな感想しか浮かびません。

でも「木」というラベルを剥がして、対象物をじっと眺めると・・・

ものすごく生々しい「何か」がそこに確かに存在するわけです。

そうして初めて人は、その対象についてアレコレ考えます。

木に限らずなんでもそうです。名前というラベルを貼ると、途端に「情報」となって分かったような気分になります。

「通変」の問題も全く同じです。

「比肩」「劫財」「食神」「傷官」「偏財」「正財」「偏官」「正官」「偏印」「印綬」とラベリングする事で、占いの解釈をぐんと容易にするわけですが、同時に、干と干のダイナミックなエネルギーの衝突と調和を見る事を忘れてしまうものです。

「偏財だから・・・」
「偏官だから・・・」
「偏印だから・・・」

「部分」だけを見て、「全体」が視野に入ってこない。

断言します。
偏財、偏官、偏印だから悪いという事はありません。

同時に、
正財、正官、印綬だから良いという事もありません。。

四柱推命の代名詞とも言える通変ですが、通変で一喜一憂するのはやめてください。

これから四柱推命を学ぶ人も、通変の解釈だけで、人を占うのはやめたほうがいいです。早々に矛盾にぶつかり挫折します。

まとめ

    • 干と干との関係は基本5種類ある。
    • 5種類の組み合わせが陰陽に分かれて10種類となり、「通変」と呼ばれる。
    • 10種類ある通変は、しょせん分類しやすいようにラベリングしただけのシロモノ。
    • 通変だけにとらわれるのは、部分だけを見て全体を見ないのと同じ。

丑くん

複雑な干同士の関係を、ズバリ一言で言えるように産み出されたのが通変なんだよ。

寅さん

便利だけど、全体をみて判断しないとダメってことやね。
でも、ワイの命式「印綬」が二つもあるんやで。

丑くん

その印綬も、強い印綬なのか、弱い印綬なのか?命式のどこに印綬が発生しているのか?大運に影響を受ける印綬なのか?「印綬」の一言だけでは語れないものなんだよ!

寅さん

キビしいんだね。

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