

寅さん
去年は「天中殺」言われたし。最悪や。

丑くん
占いを正しく学べば怖いものなんてないんだよ。
Contents
皆さんは、「空亡(くうぼう)」って聞いた事ありますか?
日本では「天中殺(てんちゅうさつ)」の方が有名かもしれませんが。
この「空亡」、「空(むな)しく、亡(ほろ)ぶ」と書くんで、字面も良くないですね。「天中殺」同様、不吉なイメージです。
実際のところはどうなんでしょうか?
「空亡・天中殺」はじめに
まずはじめに。結論から述べさせて頂きます。
「空亡」も「天中殺」も同じです。字面が違うだけです。
(学術的に理論が違う!という方もいるでしょうけど)
四柱推命では「空亡」、算命学では「天中殺」とか言ったりするだけです。
天中殺という言葉は、昔「天中殺入門」という本がベストセラーになったせいで空亡よりもポピュラーかもしれません。
この「空亡」ですが、四柱推命にあっては「あって無きがごとし」というのが実態です。
つまり取るに足らない理論だという事です。
しかし算命学の「天中殺」や、一時期流行った「大殺界」なんてのも、四柱推命の「空亡」がネタになっているという事情がありまして「なんか、不吉・・・」というイメージがつきまとっています。
色々なネタに使われた「空亡」理論とはどんなものでしょう?
空亡とは
空亡の理論(仕組み)
空亡でも天中殺でも、理論は下記のとおりです。
誰にでも、12年に2年ずつ、12ヵ月に2ヵ月ずつ、12日に2日間ずつだけ・・・天が味方をしてくれない、不吉な期間、すなわち「空亡」が訪れます。
ナゼ、そうなるんでしょう?
東洋占術に使用される干支暦カレンダーは、干支で暦が出来上がっています。
丁度この記事を書いている今日「2019年9月20日」は・・・、
2019年は「己亥」
9月は「癸酉」
20日は「庚申」
「己亥年・癸酉月・庚申日」というわけです。
干支は「十干」と「十二支」の組み合わせで出来てます。
2019年は「己+亥」
9月は「癸+酉」
20日は「庚+申」
さて。
十干は10個あって、十二支は12個あります。
十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)
十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)
十干と十二支なんで、組み合わせるとどうしても2つ余ります。
ペアになれない十二支が出てきます。当然ですが。
この2つ余った十二支を「空亡」といって忌み嫌うわけです。
空亡の理論(意味付け)
ペアになれなかった十二支は「天が見方してくれない」だの、「十二支が孤立する」だの、一見もっともらしい理論が展開され・・・。
この「空亡(天中殺)期間」は、
転職(転勤)、住宅取得、引っ越しをしてはいけない。
また、大金を使ったり、新しく事を興したりしてはいけない。
とされ・・・
更に、
神社参拝やら、墓参り(祖先崇拝)をして、身辺を整理整頓して、開運グッズ等を利用しながら、静かにひっそりと過ごす必要が・・・
・・・あるんですって!(-_-)
おまけに、
空亡(天中殺)の期間、転職したり大金を使ったりすると・・・事故に遭ったり、体調を崩したり・・・するそうですよ。
空亡の理論 あなたはどのパターン?
不気味な空亡ですが、さらに「仕組み」をみていきましょう。
もう一度、下記の組み合わせから出来た「空亡」を見てください。
この例、「甲」と「子」から組み合わせた場合ですと、戌と亥が余っちゃったので「戌亥空亡」というパターンになります。
組み合わせによって「余る」パターンが全部で6つあります。
パターン1「戌亥空亡」
甲+子から組み合わせて「戌亥」が余る
パターン2「申酉空亡」
甲+戌から組み合わせて「申酉」が余る
パターン3「午未空亡」
甲+申から組み合わせて「子未」が余る
パターン4「辰巳空亡」
甲+午から組み合わせて「辰巳」が余る
パターン5「寅卯空亡」
甲+辰から組み合わせて「寅卯」が余る
パターン6「子丑空亡」
甲+寅から組み合わせて「子丑」が余る
生年月日によって、この6つのパターンのどれかにぶつかります。
具体的には日柱干支によって決まります。
例えば、筆者は日柱が「壬戌」です。
壬戌だと「子丑空亡」のパターンになります。
甲+寅から組み合わせるパターンに、「壬戌」のペアが出来るので、余りは「子丑」なわけです。「子丑空亡」ですね。
十干と十二支をズラして割り出すんですが、慣れてくると頭で計算して割り出せるようになります。(割り出す必要は全然ありませんが)
冷静に空亡を考える(実証)
この空亡(天中殺)は、
12年に2年巡ってくる「年単位」の空亡、
1年に2ヵ月巡ってくる「月単位」の空亡、
12日に2日巡ってくる「日単位」の空亡とあるわけです。
例えば、私(筆者)の場合は「子丑空亡」パターンです。
「子・丑」とつく年、月、日が空亡(天中殺)になります。
ちょっと興味深いですね。
過去、2019年1月はどうだったんでしょう?
カレンダーで示すとこんな感じです。
子と丑が、「空亡(天中殺)」です。
規則正しく12日に2日巡ってきますね(笑)。
私(筆者)は毎日、日記をつけているので運勢の検証が出来るんですが、・・・空亡の日に不吉な出来事は・・・なにひとつ無いですよ。
空亡・2019年1月16日(水)の、
”横綱・稀勢の里引退、残念(+_+)”
・・・これくらいでしょうか(笑)。
まあ、稀勢の里の引退は、私の空亡とは何の関係もありませんが。
面白いので去年2018年も検証してみましょうか。
去年2018年の子日と丑日は・・・。
1月の子丑空亡 3日、4日、15日、16日、27日、28日
2月の子丑空亡 8日、9日、20日、21日
3月の子丑空亡 4日、5日、16日、17日、28日、29日
4月の子丑空亡 9日、10日、21日、22日
5月の子丑空亡 3日、4日、15日、16日、27日、28日
6月の子丑空亡 8日、9日、20日、21日
7月の子丑空亡 2日、3日、14日、15日、26日、27日
8月の子丑空亡 7日、8日、19日、20日、31日
9月の子丑空亡 1日、12日、13日、24日、25日
10月の子丑空亡 6日、7日、18日、19日、30日、31日
11月の子丑空亡 11日、12日、23日、24日
12月の子丑空亡 5日、6日、17日、18日、29日、30日
もうこの時点で占い注意報なんですが(笑)
仕方ないんで、去年2018年の、空亡の日の日記を読んでいるんですが・・・もう、全然当たりません。
日単位でこれですからね。
月、年と考えていたら、人生は大体、空亡で不吉じゃないですか!
皆さん忙しいと思いますんで、こんなに規則正しく空亡につきあってるわけにいかないでしょう(-_-)
空亡の結論(解釈次第)
四柱推命の拠り所となる干支暦は、十干と十二支の組み合わせで出来ているのですから、十二支が2個余るのは当たり前です。
十干を「天」とし、十二支を「地」と考え、ペアになれなかった十二支を「天の助け無し」と解釈するのは面白いんですが、害悪以外の何物でもありません。
まさに空亡は「あって無きがごとし」という態度で、四柱推命に挑むのが正しいと思います。
ただ、空亡(天中殺)でも、凶方位でも、大殺界でも霊でも何でもそうですが、あると信じている人にはあるんです。これが。
この世のすべては解釈ですから。
有名な故事「万事、塞翁が馬(サイオウがウマ)」にもあるように、人の幸・不幸はその人その人の解釈なんです。
ですから、ちょっとした不幸を、空亡(天中殺)に結び付けようと思えばいくらでも出来ます。
ニュースや週刊誌を見れば分かる通り、人間はネガティブな事に反応するように出来ていますから。
空亡だ、天中殺だ、大殺界だ!と、すぐ反応するのも人間のサガかもしれません。
ただ、占い師にとってはカモがネギ背負ってくるようなものですよ、そういう人間は。
ちなみに一時期メディアを騒がせた細木数子氏は「空亡」を拠り所に、六星占術における○○星人というのを創出しました。
子丑空亡は水星人
寅卯空亡は木星人
辰巳空亡は天王星人
午未空亡は火星人
申酉空亡は金星人
戌亥空亡は土星人
個人的にはどうでもいい「空亡」ですが、それをネタに世に出る人もいるわけで・・・頭が下がります(+_+)
まとめ
ポイント1
空亡・天中殺、大殺界、どれも同じような意味。
ポイント2
干支暦は10干と12支の組み合わせなので、2個余るのは当たり前。
ポイント3
2個余った空亡をどう解釈するかは個々の自由です。
取るに足らない、とスルーしても良いです。
なにか悪い事が起こるに違いない、と怖がるのも勝手です。
空亡をゼロ、リセットと捉え、この機会に断捨離やら身辺整理してリセットしても良いです。

寅さん
六曜の「仏滅」で怖がっていた時を思い出すわん!

丑くん

寅さん
空亡グループ6種類は、60干支の順番に合わせて順序を決めるべきです。
甲子が1番目に来るわけですから、戌亥空亡グループを1番目に配置してください。
また戌亥空亡グループはカリスマ性があり、他のグループとは一線を画す傾向があります。