

丑くん

寅さん
「朝早かった」って、お母さんが言ってたよ。
お母さんが言ってたから間違いないで。

丑くん
お母さんが言ってもダメだよ。
生年月日をもって占う、四柱推命系の占いでは「出生時刻」が必須になります。
ちなみに、私(筆者)は、出生時刻が不明な方は、原則占いをお断りしています。それくらい出生時刻があるかないかは大変重要な問題なんです。
「出生時刻無くてもOKです」なんて占い師が日本にはたくさんいますね。
出生時刻が無くてもOKなのは、もちろんビジネス(笑)だからです。
占い注意報です。気を付けましょう。
では、何故それほど出生時刻が重要なのか、占いの現場から報告します!
「出生時刻」が必要な意味
四柱推命は読んで字のごとく「四つの柱から命(めい)を推(お)す」。
四つの柱からできた命式で、様々な事象を推察する術です。四つの柱はもちろん「年・月・日・時」です。
ですから出生時刻が無い時点で、それはもう、四柱推命ではありません。
占い師によっては、
「時間が無くても年月日時の4つのうち、3つがわかっていれば、75%の精度で占えますよ」
なんて方も多く見受けられますが、これは間違いです。「三柱推命」で占うことの是非はともかく、それは四柱推命ではありません。
実際の四柱推命(出生時刻ある場合、無い場合)
具体的に命式を推察してみましょう。
ちょっと専門用語も多く出てきますが、皆さんも占い師になったつもりでご覧になってみて下さい。
例えば、いまこの記事を書いている2019年9月9日に赤ちゃんが生まれたとしましょう。
出生時刻は分かりやすく午前9時00分にします。
ちなみに「出生時刻が9時00分です」なんて言う方がお客様でいますけど、これも疑わしいですね(笑)。人はそんなにピッタリ産まれるとは限りませんので。
便宜上、出生時刻9時00分に産まれると下記のような命式になります。
「時柱」をご覧ください。午前9時00分~11時00分は「己丙」です。(時干は「2時間単位」で十干が変化していきます。)
命式は、下記のように、日干(黄色部分)を「その人自身」と見ます。
↑こちらの命式は「己」の人ですね。
・・・さて。
重要なのは、日干に直接隣接する干(黄色部分)です。
この隣接する干が、その人自身にどういう作用をもたらすかを決めます。
隣接する干で、気質や性格、適性やら才能、更には運勢が決まってくるわけです。
さて具体的に隣接する干を見てみましょう・・・。
日干「己」に月干「癸」で、陰干が陰干を尅す「財」の関係。
日干「己」に日支「辛」で、陰干が陰干を生ずる「食傷」関係。
日干「己」に時干「己」で、陰干重なる「比劫」の関係。
四柱推命をある程度勉強された方ならば、おわかりだと思うのですが、ここで時干「己」がアルか無いか、で鑑定結果は全く変わってくるはずです。
日干「己」は、月干「癸」を尅して、ちょっとエネルギーが減っています。
さらに日干「己」は、日支「辛」を生じて、ちょっとエネルギーを漏らしています。
月柱と日柱を見る限りでは、この日干「己」は、ちょっと弱い。
ところが、生まれ時間の時柱を見ると、時柱の天干にも「己」があり、日干「己」と重なって、エネルギーが増えます。
更に、時干と日干が同じだった場合(流派によりますが)、下記のように時支「丙」も隣接していると考えます。
なんという事でしょう。
日干「己」に時支「丙」は、陰干が天干に生ぜられる「印」の関係。
強烈な「丙」のおかげで弱弱しかった日干「己」は、一気にバランスの取れた命式となりました!※ハナシを分かりやすくする為に年柱、月支、大運その他は無視します。
これが、2時間遅れて11時00分に産まれていたら、下記のように時干は「庚」となり・・・。
日干「己」のエネルギーは、漏れて、漏れて、さらに尅して、まったくもって「己」は弱弱しい。
更に強烈な助っ人、時支「丙」は、この場合(流派によりますが)、「無関係」と見ます。
いかがでしょうか。専門用語が出てきて分かりにくかったかもしれませんが、ニュアンスは伝わったと思います。
出生時刻がちょっと違うだけで、大変な違いが出てきちゃいました。
産まれた「場所」も重要
その人がどこで産まれたか?こちらの情報も必須です。
何故ならば、出生場所も「出生時間」に関わってくるんですね。産まれた場所によって時間を修正しなければなりません。
日本標準時は東経135度を通る兵庫県明石市です。
ですから実際の正確な出生時間となると、出生地と明石との時差を調べて修正しなければなりません。
(北海道と沖縄を除く)ほとんどの地域は、マイナス20分~プラス20分修正する必要が出てきます。
逆に東経135度上の兵庫県付近に産まれた方は無修正でOKです。
さて。
時柱は2時間単位で変化します。2時間が「最小単位」なんです。
2時間もハバがあるのならば、大体でいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、そうでもないんです。
夜の午前0時近くに産まれた人は、たった数分の違いで、日にちまで替わってしまいますよね。
場合によっては日にちどころか、生まれ月、いや、生まれ年まで替わってしまうケースもあります。
そんな替わり目に産まれるなんて特別だろう、と思いますか?
確かに年や月、日にちが替わるのは、1年単位、30日単位、24時間単位ですが、「時柱」が変わるのは2時間単位なんです。
けっこう、替り目ちかくに人は産まれるものです。その時、わずか数分がものすごく影響します。
出生時間が記録される「母子手帳」が発行されはじめのは1940年代に入ってからです。
1940年以前に産まれた方ですと、出生時刻不明の方も多いのですが、出生時刻があったとしても正確でないケースが多く見受けられます。
あの頃は、医療関係(助産婦)の方も、今ほど正確に出生時間を記録していなかったでしょうから、仕方が無い事かもしれません。
そういう場合、母子手帳以外から出生時刻を求めていくやり方もあるのですが、曖昧な出生時刻ですと、かえって命式を見誤ります。
関連記事:母子手帳が無い!出生時刻を知る3つの方法
まとめ

寅さん
出生時間だけで占い結果は、ガラリと変わるわけやね・・・。
出生時間が曖昧なワイは、どうしたらいいんや!

丑くん
お母さんに母子手帳みせてもらうといいよ。
1940年代から発行されはじめてるから。
自分が何時何分に産まれたか・・・。