

「ごうのとら」ってイメージわるいんか?
やっぱりトラがまずいんか?
正しく占いを学べば怖いものなんてないんだよ。

皆さんは「ごうのとら」を、聞いた事がありますか?
ごうのとら生まれの女性は気性が激しい・・・。
ごうのとら、と聞いて不吉なイメージを抱いている方も多いと思います。今回は、この迷信を一刀両断したいと思います。
「ごうのとら」とは何か?
そもそも「ごうのとら」とはなんでしょうか。
「ごうのとら」には諸説ありますが、「五黄(ごおう)の寅」の事です。
この「五黄の寅」がなまって「ごうのとら」になりました。
「五黄」は、中国の民間信仰「九星」がベースになっています。
この「九星」は下図の通り、九つの星々から出来ています。これら九つの星々から、人の運勢や、方位の吉凶を占います。
図を見ると、五黄は・・・、
「五番目」の星、土星。配色は「黄色」です。
ゆえに「五黄土星(ごおうどせい)」ですね。
簡潔に述べますが、九星では「一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫」が毎年循環していきます。
例えばこの記事を書いている2019年(平成31年)ならば「八白土星」ですね。去年の2018年(平成30年)ならば「九紫火星」となります。
「五黄」は「九星」における五黄土星を指し、「寅」は「十二支」における寅年生まれを指します。
五黄土星は、九星と十二支の組み合わせで出来ているわけです。
五黄の寅が出る仕組み
九星と十二支の組み合わせなので「9」と「12」の最小公倍数の「36年」ごとに表出するわけです。
20世紀に入ってからは、
1914年(大正3年) 五黄土星+甲寅年=「五黄の寅」
36年後、
1950年(昭和25年)五黄土星+庚寅年=「五黄の寅」
36年後、
1986年(昭和61年)五黄土星+丙寅年=「五黄の寅」
次の「五黄の寅」は西暦2022年ですね。
なぜ「ごうのとら」生まれの女性は男を食い殺す?
五黄土星は、九つある星のひとつに過ぎないのですが、後天定位盤において「中央」に位置する特別な星です。
五黄土星は、他の8つ星を支配する強力な星で、同じ「土性」をもつ二黒土星、八白土星と比べても土気は強いとされます。
「土性」は、砂漠や荒野、墓場の土、土砂崩れの土、地球そのものなどを表し、破壊力や腐敗させる力があると言い伝えられてきました。
なんだか、不吉なムードですね。
このムード(象意)のせいで、「方位」に関しても五黄が配当される方位は「五黄殺(ごおうさつ)」。その反対側は「暗剣殺(あんけんさつ)」といって、いずれも凶方位とされます。
そして、この星の生まれの人は、運気が強いとされます。
ただでさえ運気が強い「五黄土星」が、「寅年生まれ」に当たると、更に運気が強くなるともいわれてきました。
寅年はイメージ先行の部分もありますが、「丙午(ひのえうま)」の記事でも書きましたが、あながち迷信ともいえません。
強すぎる運気は、時に激しい気性となって表出するものです。
いけいけドンドンのワンマン社長とか、押しの強い営業とか・・・皆さんの身近にもいらっしゃるかもしれませんね。
ただし。
「丙午(ひのえうま)」が、生まれ年のみで安易にウワサされてきたように、今回の「五黄の寅」も完全に生まれ年だけのハナシです。
参照:丙午(ヒノエウマ)の女は男を食う? たった1つの見方で迷信を暴く!【四柱推命】
これで、気質を特定するのはかなりの矛盾をはらんでいると思います。
確かに生まれ年による「傾向」はあると思います。「団塊ジュニアの世代」だの「ゆとり世代」、「さとり世代」といわれるように、各世代の「特徴・傾向」はあるとは思います。
しかし個人の気質に迫るにはあまりに雑把すぎると考えます。皆さんも同級生全員が同じ性格・気質だなんて絶対に考えられませんよね。
ゆえに「生まれ年」が「五黄の寅」年というだけで、人間の気質に言及出来るはずがありません。
「五黄の寅」の女性の皆さん安心してください。
昭和49年生まれは何故ごうの寅と言われるのか?
まず、昭和49年(1974年)生まれは、五黄の寅ではないです。
確かに昭和49年(1974年)は十二支が寅年ですが、九星は五黄土星ではなく「八白土星」ですね。八白の寅です。
しかし何故か、昭和49年生まれの女性は「ごうの寅」で気が強いだの、男を食い殺すだのと言われて来ました。
昭和49年は、「甲寅(きのえとら)」にあたります。
音読みで「甲寅(こういん)」の年ですね。
「戊辰(つちのえたつ)」を、「戊辰(ぼしん)」と言ったり、日本語は音読み・訓読みと二つ読み方があるので面倒ですね。中国語ならば読み方はひとつなんでしょうけど。
これらの日本独特の事情で
「甲寅(こういん)」→「こうのトラ」→「ごうの寅」
とゴッチャになったんだと思います。
もう、全然関係ありませんからね。
昭和49年生まれの女性も安心してください。
まとめ

簡単な情報だけ、広がってしまうんやね。
「イメージ」が先行しちゃうよね。
そもそも「寅年」って言っても、
実際の「虎」とはナンの関係もないし。

良くわかりました。
ごうのとらではないのは良くわかりましたが、気はめちゃくちゃ強いですが…💦
うーん、「ごっちゃになったんだと思います」では根拠は弱いですね。
こうも全国的に「ごうの寅」と言われるのには何か理由があるとしか思えません。
全国が「間違えた」というのには無理があります。
逆に昭和61年生まれの方がおとなしい気がするのですが・・・。